人気ブログランキング | 話題のタグを見る

しょうごのコンニャヨギ通信

Best books

川上未映子さんの「ヘブン」について何か書こうとしてるんですけど
あんまり進まない、なので
ちょっと早いですけど今年読んでよかった本を紹介します。

ハワード・ジン
『アメリカ同時代史』(明石書店, 1997年)
 原題 You Can't Be Neutral on a Moving Train: a Personal History of Our Times
 
原題にあるように彼が黒人女子大スペルマンカレッジでの教授経験をもとに
マイノリティの視点からアメリカのおもに60年代のことが書かれています

僕は読み進みながら、立ち止まり、深くためいきをつくとともに
なんども涙しながら読みました
アメリカが自由で豊な国という印象が覆されます


平松 剛
「磯崎新の『都庁』 戦後日本最大のコンペ」文藝春秋、2008年6月

建築されなかった建築をめぐるはなし
コンペで都庁は現在建ってる丹下健三のものになった
その過程が昭和の歴史を背景に人間同士の錯綜した模様が
ていねいに描かれた傑作
同著者の
「光の教会―安藤忠雄の現場」も良い

高山 文彦
『エレクトラ—中上健次の生涯』(文藝春秋,2007年)

著者があとがきで書いてるとおり
作家の等身大の姿がいきいきと描かれている
生前のイメージを裏切る描写が心を打つ
短い生を圧倒的強度で生きた中上
そのまわりで彼に翻弄されるひとびと
愛と死
これまた傑作
by shogoconyarome | 2009-11-19 17:45 | book | Comments(0)